給食 is オアシス for not only me, but also others.
2026年6月19日 16時07分
時は金曜日。それは喜びと苦しみが混在する曜日。
児童も教職員も疲労はピークに達している。算数では数字を見るだけでめまいがし、廊下を歩くだけで足の筋肉がブチブチと音を立てて裂ける。挙手した腕の腱は断裂し、そのまま硬直して二度と下がることはない。言わば、「赤ゲージ」である。そして、今日を乗り切れば土日が待っている。 ただ、きっとアレが無ければ、我々はこの校内で全滅していただろう。
「給食」が無ければ…。 それでは、「いただきます」
・牛乳 梅雨のムシムシしたこの季節。この200mL の存在は大きい。午後からのパフォーマンスに大きく影響するエナジードリンクである。午前中に体育を実施した子どもたちにはたまらないだろう。「ストロー使った!?」とツッコミまざるを得ないほど一瞬にして吸い上げられる “ らくれん牛乳” 。東温市の四国乳業株式会社さんの愛を全身で受けた新鮮かつキンキンの牛乳。本能に抗えず3秒で飲み干してしまったこと。少し後悔でござる。
・コッペパン 水曜、金曜といえばコッペパン。そのポテンシャルは無限大であり、人知の及ぶところではない。そのまま味わうも良し。何かと組み合わせるも良し。その真髄は未だ解明されていない謎多き主人公である。本日も私たちはこの一本のエクスカリバーを片手に大冒険へ出た。 …が、本日私は1 本のエクスカリパンを2 等分にした。
・たまごスープ 程よい塩味のプールで、トゥルトゥルたまご、エノキ、豆腐が水泳の授業をしているではないか。プール底に沈んである鶏肉の存在も嬉しい。スプーンを片手に鶏肉を探すその仕草は、まさに水泳授業の宝探しである。気持ち大きめに切られているため、一粒というより一球である。一気に食べ応えが増し、満足感も跳ね上がる。 そして、“ たまごスープ” の存在は、給食の冒険で高ぶる我々の心に癒しをもたらす宿屋そのものであると私は感じている。カレーやパスタ、肉じゃが、ポークビーンズのような圧倒的な強者感、丸缶部門のセンターを担う爆発力は無いかもしれない。かと言って苦手な人もいない。そんな安定感、調和、バランスを保つ力がある。学生時代のグループワークを思い出す。どの世代のクラスにも数人こんな友人はいなかっただろうか。“ どんな集団でも馴染むことができる不思議な力を持つ友人” 。私にとってのたまごスープとはまさにあの時の友人を彷彿とさせるもの。 私の中で“ たまごスープ” “ かきたま汁” “ はるさめスープ” は和洋中ジャンク、どの献立にも馴染む“Peace 三銃士”と呼んでいる。 たまごスープを通じて、人間関係や集団での在り方すら考えさせる夢づくり調理場。恐るべし。
・こめこグラタン 老若男女問わず、全人類のモーニングルーティンとして「a cup of coffee ☕ ️ 」と「献立表チェック」は欠かせない。その時誰もが感じたとこだろう。「なに… 。グラタンに… こめこ… ?普通はパン粉ではないのか?グラタンのトロトロをパン粉のサクサクが包み込むからこそグラタンなのではないのか。サクサクを失ったグラタンはもはや、ポケットを紛失したドラえもんと同じなのではないか。」 朝から私たちの心は疑問と少しの不安で大きく揺さぶられた。正直、4 時間目の後半は、児童も教職員も授業どころではなかった。恐る恐るフライ缶の蓋を持ち上げる……… 。
パン粉…いました…。
名前のインパクトで動揺し、献立表の裏にある材料表確認を怠った自分が情けない。あれだけ授業中に問題をよく読め!と児童に豪語していた自分が情けない。 パン粉と表面のコゲのカリサクと、米粉でモチモチが強化されたグラタンのトロトロ、奥で影をひそめるズッキーニのプリプリが奏でる最強のハーモニー。ウィーン少年合唱団との違いが私にはわからない。 ここで私は、半分のパンを取り出す。はい。グラタンドッグ完成。挟む。食べる。挟む。食べる。挟む。食べる。…。あぁ。無くなった。 まだだ。アルミに張り付いているだろうがぁ!パンの皮部分で、根こそぎ回収。白ごはんでは実現不可能の技。コッペパンとグラタンは、まさにリクリュウペアである。
・うめドレッシングサラダ 梅に含まれるクエン酸によって、金曜の疲弊した我々の疲労は自然と薄れ、午後の授業が余力を持って終えることが出来た。また、クエン酸によって吸収効率の向上した牛乳のカルシウムは、確実に私たちの骨、身体を丈夫にし、残り1 ヶ月を切った本学期を乗り切る起爆剤となるだろう。ミネラルや塩分を確実に吸収し、熱中症予防の役割を担うだけでなく、程よい酸味によって夏バテ気味の我々の食欲を増進させ、本日の献立を思う存分楽しませることのできるこちらのサラダ、完全にジョーカーである。
・みかんジャム 見た目は小さいが、確かに君はそこにいる。牛乳パックの陰から、そのオレンジ色の小袋は仲間にして欲しそうにこちらを見ている。本日の影の主役。そう。残りのパン半分は君のためである。 こんなことを感じたことはないだろうか。
「パン1 本にジャム1つは… ちょっと足りない。」
どうしてもパンの両端にはジャムが行き届かなくなるのだ。そもそもパン1 にジャム1 というのは誰が決めたのか?少なくとも今治市の条例には記載がない。パン0.5 にジャム1 でもいいではないか。これによってジャムがパンというスケートリンクの上で幻の1 回転半(1 往復半)を実現した。最後の一口まで愛媛の柑橘ジャムを存分に味わうことができた。
余談ではあるが、水「もち麦バーグのみかんソースかけ」、木「鯛のレモンソース」、金「みかんジャム」。柑橘3 コンボ。改めて自分が柑橘王国の住人で良かった。と思えることが出来た。
実際に食事をしたのは30分程であるが、体感ではドラクエを1作やり終えたくらいの充実感がある。"幸せ疲れ"とはこのことか。
今週も頑張ることができたのは夢づくり調理場さんの愛情のおかげてあります。「ごちそうさまでした。」